子どもと一緒に!五感で楽しむクッキング♪

子どもと一緒に!五感で楽しむクッキング♪

公開日:2015/10/19

作成者:白

public hall

みなさんはご家庭でお子さんと料理をしていますか? 料理は手先を使うし、集中力も必要です。段取りを考える訓練にもなるので、なるべく小さいうちから身につけさせたいもの。でも、危ないし準備も後始末も大変なので、なかなか子どもと一緒に料理をする余裕がないのが現状。
ところが、そんな親子にぴったりな1歳から参加できる料理教室が中央公民館にあります。その名も「おやこクッキング」。
そんな小さな子どもと一緒にどんな料理を作るのでしょう? というわけで2歳8カ月の娘と一緒に体験してきました!

「あったらいいな」から生まれたおやこクッキング

board「おやこクッキング」は、管理栄養士の資格をお持ちの秋元先生と、お菓子作りが得意な元芳先生のお二人がH12年に始めたサークルです。多くの料理教室では子ども向け講座は満4歳からと、それより小さい子どもに料理をさせられるところがなく、「あったらいいな」という思いから2歳~4歳を対象にスタート。始めてみると定員16組が満員になり、やはり需要があったのだと手ごたえを感じたそうです。その後、よちよち歩きやおんぶで連れてこられる下のお子さんも、やってみたら参加できることがわかり、対象年齢を“1歳から”に引き下げたということです。

元芳先生(左)と秋元先生

低年齢から料理を始めるといいことがたくさんあります。まず、子どもが五感をフルに使って食材に触れ、調理できること。食材を目で見て(視覚)触れてみる(触覚)。調理の音を聞き(聴覚)、においを感じ(嗅覚)、味わいます(味覚)。次に、子どもが「自分が作った!」という達成感を味わいながら料理を食べることで、さらに大切に食べることを学べます。そして、ママと一緒に作業することを通して親子のコミュニケーションにもつながります。
この教室では、こうしたいいことを小さいうちからたっぷり経験できるよう、次のことを重視しているそうです;
■子どもが包丁・火を使わず(安全優先)手で食材にさわれること。 五感のうち触覚を特に大切にしています。
■特別な食材を使わない。家にあるもので作れること。
■栄養バランスを考えてメニューを作成。
■行事や季節感。お月見やひなまつりといった季節の要素を盛り込んだメニュー。

 DSC03328 DSC03189

先生方にこれまでの15年を振り返っていただくと、こんなお話が聞けました。
「一般的な料理教室より小さな年代の子どもに料理をさせるのは冒険ではありましたが、やってみればできることがたくさんあり、料理を始めるのに早すぎることはないと実感しました」。
毎回手作りで準備してくださるレシピは、本を参考にする場合でも作りやすさ・おいしさを考慮してアレンジしているそうです。子どもにとって、この料理が成功体験となるよう、誰でも簡単に作れるよう工夫がされています。
「遊ぶような感覚で食材に手で触れることを重視してやってきたら、結果的に『好き嫌いがなくなった』という声が聞かれるようになりました」ともおっしゃっていました。

教室ではこんなことをします♪

●教室の流れ
毎回お土産用のお菓子1品+料理2品くらい(主食とおかずか汁物など)作ります。1台の調理台につき3~4組程度で作業し、みんなで作った料理を試食します。お菓子はお持ち帰り。
食材はあらかじめ計量済・カット済で、子どもはこねたり丸めたりといった手を使う作業をします。ママたちは子どものサポート、火を使う作業と洗い物が担当です。
メニューや作業内容によって、調理台ごとにすべてのメニューを作ることもあれば、大型の炊飯器でご飯を炊く場合など下準備だけみんなでやって、あとは先生方がまとめて調理してくださることもあります。ガスコンロやガスオーブンを使うので、火のそばに近づかないことを毎回約束してから始めています。
12月はクリスマスケーキを1台作って持ち帰ります。料理と試食はありません。

●会費
入会費700円(入会時)、月会費1,500円(3カ月ごとにまとめて事前に集金)です。
※初めての方は一日体験も(おやこで1,000円・当日集金)。前日の10時までに連絡すれば参加できますよ♪

●子どもの興味がそれたら?

おもちゃコーナーを設けてあるので、途中で飽きてしまったら遊んでいてもOK。取材した日も途中で脱走(?)した子がいましたが、あとでちゃんと戻って盛り付けに参加できました。こういうおおらかな雰囲気の中ならママも気が楽ですね。
DSC03304

「お月見団子作り」を体験してきました!

この日のメニューは「塩昆布と大豆の炊き込みご飯」「秋の恵みのおみそ汁」「お月見団子」。
エプロンと三角巾を着けたらみんなでごあいさつをして、安全に関する注意を聞きます。参加者はうちを含め全部で4組、子どもは全員2歳代でした。ママや先生のいうことを聞けるようになったかな………?という月齢になったらデビューというケースが多いようです。
DSC03200 DSC03201

 まずはおみそ汁に入れるしめじをほぐします。きのこにさわるのが初めての子も丁寧に一本ずつばらしていました。きのこのほかになすや里芋、さつまいもなどいろいろな野菜が入ります。
炊き込みご飯は浸水させたお米に塩昆布をよく混ぜ、大豆の水煮とにんじんを載せて炊きます。子どもたちも「にんじんだー」なんて言いながら先生の手元を見守り、炊飯器のスイッチオン。
今日の作業はお月見団子がメイン。おみそ汁もご飯も、先生が調理台でまとめて調理してくださいました。
DSC03187 DSC03210 DSC03221

いよいよお団子作りです。ボウルには白玉粉・上新粉が同量ずつ計量済。これに水を入れて混ぜるところから、ちびっ子シェフたちの出番です! 調理台が高いのでみんな椅子に膝立ちして一生懸命混ぜました。こねるのは力がいりますが、むずかしいところは元芳先生の優しいフォローが。続いてコロコロ丸めます。日頃お砂場で鍛えているだけあって(?)こういうのは得意です^^
DSC03240 DSC03233 DSC03278

お団子生地はそのままの白、抹茶を混ぜた緑色、きなこの黄色の三色。これをママたちがゆでたらツルツル、モチモチのお団子がたくさんできました! カップに盛り付け、つぶあんやみたらしあんをトッピングしたら完成です。おしゃれなスイーツといった雰囲気にできあがり、あとでお土産として持ち帰ります♪
DSC03338 DSC03320 DSC03344

洗い物をしながら、食器を拭くお手伝いを子どもにやらせてみたところ、初めてなのに意外と上手にできてびっくりです。できないのではなく、やらせなかっただけなのかもしれませんね。
DSC03365

みんなで試食。いただきます!

DSC03383さて、おみそ汁とご飯ができあがり、試食タイムです。
おみそ汁はとにかく具だくさん。だしを取った昆布も柔らかくなったからと、秋元先生が刻んで入れてくださいました。実はうちのいつものおみそ汁よりかなり薄味だったのですが、いろいろな具からうまみが出て深い味が感じられました。子どもたちも、自分がほぐしたしめじを発見して「○○ちゃんがやったやつ!」などと言いながら食べていました。(余談ですが、この日からわが家のおみそ汁も、具を増やしてみそを減らすようになりました!)
炊き込みご飯には昆布のいい風味と色がついて、しっとりした和食らしい味わいです。ふっくらした大豆がたくさん入っていておいしいけれど、子どもって豆はあまり食べないかも?とひそかに心配していたところ、みんなとってもいい食べっぷりでした^^
この二品でたんぱく質や食物繊維も豊富に摂れて、栄養バランスもバッチリなのです♪
DSC03390 DSC03391

こんな楽しい一コマも♪ ママにも耳よりなワンポイントアドバイス!

今回はご飯が炊けるのを待つ間、秋元先生がお月見にちなんだ紙芝居をしてくださいました。お月さまに見えるいろいろな形を「これは何でしょう?」と子どもたちに問いかけると、「バナナ!」「たまご!」と元気な答えが返ってきます。紙芝居はなんと手作りだとか。毎年お月見の時期には恒例となっているのだそうです。 行事を通して季節の野菜や伝統料理に子どもが興味を持ち、身体だけでなく心も豊かに成長できるような、素敵なひとときでした。

DSC03352 DSC03340

 

ところで、今日のおみそ汁は昆布だけでだしを取りましたが、家庭で粉末だしを使う場合は、昆布や鰹節といった天然のものを一種類でも入れると味に奥行きが出るそうです。ぜひ取り入れて欲しいと秋元先生。昆布は刻んで具にすれば無駄がないし、鰹節はパックのものを袋の上からもんで細かくすれば、そのまま入れてよいそうです。参考になります!

ママたちも実感! おいしく、楽しく、ためになる♪

DSC03423★この日参加していたみなさんにお話を伺いました。
●家では好き嫌いがありますが、ここに来ると食べることが多いです。お友達と一緒なことと、自分も作業しているので「参加している」感じがいいのでは?
●2歳を過ぎて、そろそろいい時期かと体験に来ました。この年齢の子どもにもできる作業があって楽しい。
●自宅でもナイフを使いたがるなど、料理に興味を持っているみたい。家ではなかなかやらせてあげられませんが、ここでは全て準備してくださっているので、のびのびとやらせてあげられる。
●持ち帰り用のお菓子をかわいらしくラッピングしてもらえるので、お兄ちゃん・お姉ちゃんやパパへのお土産にできる。(自慢できる!)
●お料理もお菓子も自宅にある材料でできる簡単なレシピで、しかもおいしい! 家でも子どもと作ろうという気になる。
●減塩につながるだしの活用法など、料理のヒントが聞けてママにもためになる。

 

私が今回参加してみてまず感じたことは、気負わず子どもに料理をさせてみると、意外とやれるのだということ。そしてその発見の機会を得られてとても幸運なことだと思いました。これをきっかけに自分の中にある「まだ無理」というハードルが少しだけ下がり、自宅でも時々きのこをほぐすお手伝いをさせてみています。
子どもも充実感を持てたようで、次の日も「お団子作ったね!」なんてうれしそうに思い出していました。お土産のお団子と一緒に、少しだけ成長したのかな?という喜びと、また一つ増えた親子の思い出も持ち帰ったような、貴重な体験となりました。
元芳先生、秋元先生、家庭でも実践したくなるポイント満載の素敵な講座をありがとうございました!

みなさんもお子さんが興味を持っているようだったら、「ちょっと早いかな」と思ってもできることを見つけてさせてみてはいかがでしょうか? 年代に応じてできることは異なりますが、結構うまくできたりしますよ!
自宅ではなかなか………と迷っている方は、おやこクッキングへの参加をおススメします♪
今年度の予定をざっとご紹介します。11月【ひと足早いおせち】、12月【クリスマスケーキ】、1月【おもちを使ったメニュー】、2月【バレンタインチョコ】、3月【おひなまつり】です!

■■■おやこクッキング 講座概要■■■(2023年2月17日(金)更新)
《開催場所》草加市中央公民館 調理室
《日時》土曜日or日曜日(月1回) 10時~12時
《会費》入会費700円/月会費1,500円  (体験も受付中です:1,000円)
《対象》1歳から(ベビーカーOK) ※ママさんだけでもOK!!
《持ち物》エプロン、三角巾
《定員》16組
《お問い合わせ先》dangomushimama@yahoo.co.jp

取材日:2015年9月15日(火)
取材者:*あき*、白
作成者:白