「おもちゃのひろば とことこ」 ってどんなところ?

「おもちゃのひろば とことこ」
ってどんなところ?

公開日:2015/07/04

作成者:*あき*、かずとろ、白

第2期ぼっくるん隊が始動してはじめに取材先に選んだのは、メンバー内でも認知度が高く、草加市に数ある子育てサークルの中でも人気の高い「おもちゃのひろば とことこ」です。ぼっくるん隊メンバーも大変お世話になっています♪

tokotoko002部屋に入ると、大きな活動紹介が掲示されていました。初めて参加された人にも活動内容が一目瞭然!
人気のキャラクターのイラストも手書きしているそう。なんでも自分たちで作る…手作りのぬくもりが随所にあふれています。

とことこのプロフィールには「おもちゃを通して子育ち支援をしています」と書かれています。「子育て」ではなく「子育ち」…育てるのではなく共に育てる、親もスタッフも子どもと共に互いに成長しあう、という意味で「子育ち」と使っているのだそう。
そしてこれこそが、とことこの活動の軸となるこだわりだと言います。

とことこは、草加市社会福祉協議会に所属するボランティア団体です。福祉まつりにも毎回参加しているので、名前だけは知っているという方も多いかもしれませんね。
◆草加市社会福祉協議会のホームページはこちら

tokotoko000代表の佐藤さんは以前から松原児童館でおもちゃ図書館*ボランティアとして携わっていましたが、代表の方の諸事情でその後解散となりました。その頃娘さんの出産を機に現代の子育ての苦労に触れ、「近くに頼れる身内のいない若いママたちの手助けがしたい、不安の多いママの小さな不安を取り除いてあげたい」という思いを温めてたところ、市の職員の方から「とことこを復活しては」とのお話を受けました。こうして吉町の日枝神社脇にある吉町集会所を会場に、平成19年にこの活動を立ち上げました。保育士資格所持者や趣味の仲間などに声をかけ、また以前のとことこで使用していたおもちゃを譲り受けたり、おもちゃの保管場所を確保したりといった関係各所への働きかけの末、新しい信念のもとに翌年から活動をスタートさせました。今年で8年目となる現在は、10名ほどのボランティアと、10~18組ほどの親子とで毎回賑やかな時間を過ごしています。

*おもちゃ図書館:昭和60年から住吉児童館で、障害児の心身発達を目的として始められた。その後健常児にも対象を広げ、松原児童館に場所を移して平成16年まで活動。

毎月第2・第4火曜日は吉町集会所に集合♪

tokotoko004今回私は、2歳の我が子を連れてお邪魔しました。
かつて6年ほど前に上の子を連れてよくお世話になっていた場所ですが、下の子は初めての参加です。
「取材がてら遊ばせてもらえたらいいけど、なじめるかな?」などと思って受け付けをしていると、その間に上がり込んで早速おもちゃで遊んでいました。
それもそのはず、40畳ほどの広い和室にはスイッチあそびやスロープの玉落とし、乗り物や乗用玩具にプルトイ、それに絵本など、主に0歳~2歳を中心とした子どもが大好きなおもちゃがたくさん並んでいます。
このおもちゃについて伺ったところ、これらは立ち上げの際、保育士さんの意見を参考にメンバーみんなで選んだものだそうです。
どの子も何をして遊ぶか迷ってしまいそうな、ワクワクするスペースが広がっていました。

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ボランティアさんと遊ぼう!お昼寝しても大丈夫^^

この日は主に0歳~1歳台の子どもとママが十数組集まり、ママと一緒に遊ぶ子もいれば、ボランティアさんに遊んでもらっている子も。
毎回5~10名のボランティアさんがいらして(この日は8名いらっしゃっていました)、子どもと遊んだりだっこしてくれたりと積極的に関わってくださいます。
子どもを遊ばせられる場所はいろいろありますが、普通はママがずっとついていなくてはならない感じなのに対し、ここではちょっと目を離しても「見ていてもらえる」という安心感があります。そのせいか、ママたちもよりリラックスしておしゃべりに花を咲かせているようでした。

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畳の部屋という要素も利いていて、実家に帰ったような懐かしさを覚えます。
部屋の隅にはお布団コーナーがあって、お昼寝もOK。まさに実家状態です。
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ふと見ると、うちの子が遊んでいるのは6年前にお姉ちゃんが遊んだおもちゃ。
4月で利用者がのべ300人に達したというとことこさんですが、そんなに多くの子どもたちが使ってきたのに現役のおもちゃがあるとは驚きです。 ボランティアさんが消毒して大切に管理してくださっているおかげなのですね。

ちなみに、絵本やおもちゃは貸し出しもしてくれるので、もっと遊びたい子も心ゆくまで楽しめるのがうれしいところです。

手遊び、歌、読み聞かせの時間です♪

13時から14時までは思い思いに遊んで過ごすのですが、14時になるとおもちゃを部屋の隅に片付け、みんなで半円状に集合!ここからはボランティアの方が一人ずつ前に出て、手遊びや歌・読み聞かせの時間が始まります。
毎回、保育士資格を持っている方を中心に内容を考えているとか。子どもたちもみんな注目して、体を揺らしたり「あーあー」と声を出したり…それぞれの形で楽しんでいるのがわかります。
この日はこどもの日が近いこともあり、みんなで「こいのぼり」を歌いました。実はこの歌に2番があることをこの場で初めて知りましたが、みなさんご存じでしたか?
そしてこの手書きの歌詞もあたたかさが伝わってきますよね。(とことこでは、全て自分たちの手書き、手作りで掲示物を用意するのがポリシーだそうですよ♪^^)

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読み聞かせの時間には、市内在住の絵本作家・白根厚子さんが絵本を読んでくださいます。ご近所に絵本作家さんがいらっしゃって、その方から読み聞かせをしていただけるなんて幸運で贅沢な経験ですよね!
佐藤さんが、「絵本の読み聞かせは、文字が読めなくても言葉の意味が理解できなくても、どんなに小さい子にも必ず何かが伝わる」…とおっしゃる通り、おすわりもやっとの赤ちゃんからみんな食い入るように聞き入り、動ける子はじりじりと絵本に近づいて白根さんを取り囲む様子には驚きました。絵本のもつ力が再確認できました。

DSC02610読んでくださった絵本の中に、ページいっぱいに激しく落書きをされている本がありました。
それを白根さんがママたちに見せて、「こういう落書きを叱らないでください。落書きも、破いてしまったことも、その絵本と一緒に遊んだ記念なのです」とおっしゃっていたのが印象的でした。

ほっこり、のんびり。癒しのティータイム♪

14時半からはお待ちかねのティータイム!
ママたちがのんびりお茶とお菓子を楽しめることは、この会の一番の特色ではないでしょうか。
ボランティアさんがママたち一人ひとりに分けてくださるお菓子は、チョコレートにおせんべいと、甘いの・しょっぱいのが絶妙なバランスです♪緑茶と一緒にほっと一息、いただきます。
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子育てをしていると、こういう時間ってなかなかありませんよね!!
その間も子どもを見てもらえるなんて、本当にありがたい限りです。 もちろんママと一緒にいたい子は持参したおやつやお茶を一緒にいただくこともできます。常連ママも初参加ママも、みんな和やかに過ごしていました。
ちなみに私のチョコレートはうちの子が…。おいしかったようです(涙)。

納得、ママがここに通いたい理由♪

取材中、常連ママMさんに声をかけさせていただきました。
お子さんは生後4ヶ月にして、すでに参加5回目。 生後2ヶ月の頃から参加しているそうです。
とことこを知ったきっかけは近所のお友達のお誘いでした。1歳違いのお子さんがいるそのお友達も、やはり常連さんということで、リピーターが多いのもとことこの特徴です。
Mさんによれば、とことこの魅力は大きく分けて2つ、ずばり「ボランティアの方々の存在」と「会場になっている部屋の雰囲気」。
実家が遠く、なかなかご両親を頼ることができないMさんにとって、お子さんを見てもらえて、しかもお茶タイム付きのとことこはリフレッシュの場になるとのこと。また、ご自宅がフローリングなので、畳の香りがする和室でゆっくりくつろげることも嬉しいと言います。
なるほど「ボランティアの方々」と「部屋の雰囲気」、どちらも外せない魅力なのですね。
 
1546186_10152730246322062_230924167958833429_nインタビューの中でMさんは「ボランティアさん達のあたたかさ」について触れ、「なかなか実家に帰れない分、実家やおばあちゃんちに帰ったような気分になれます。子どもの成長を一緒に見守ってくれる人が地域にいることがとてもありがたいし、そういった形で地域の人達と関われることを嬉しく思っています。」とおっしゃっていたのには強く共感しました。

優しいボランティアの方に見守っていただきながら、ママとお子さんがくつろげる「おもちゃのひろば とことこ」。 これからも長く通い続けていきたいそうです。

自分の住んでいる地域で、育児のベテランの方々と交流を持てることは本当にありがたく、新米ママにとっては特に安心できる場なのだと、Mさんへの取材を通して感じました。
ボランティアの皆さんも生き生きとされていて、子どもと関わるまなざしのあたたかさや悩み相談に真剣に答えてくださる姿を見ると、若い世代のママたちやかわいい子どもたちに会えることを楽しみにしていることがわかります。
地域の親子の手助けになっているというやりがいを直接実感できる場所でもあるんだなぁと感じました。

かわいいおみやげで記憶にも記念にも残る♪

15時半を過ぎるとみんなでお片付けをしてお帰りです。DSC02620
この日はお別れに、こんなにかわいい手作りこいのぼりをプレゼントしていただきました!ありがとうございました♪

ここでは異年齢児が一緒になって遊べるので、子どもにとっては刺激にもなり、核家族化が進む中では、保護者以外の大人とのかかわりが持てる点も貴重な機会だと感じます。そして、こうした「子どものため」の場でありながら、「ママのため」でもあるとことこは、他ではなかなか見られない素敵な会だと改めて思うのでした。
帰り道で見かけたママたちは、心なしか穏やかな笑顔をたたえているようでした。多分私も。

 

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tokotoko001印象的な「とことこ」という名前の由来を佐藤さんにお聞きしたところ、以前参加していたおもちゃのひろばであるスタッフが「子どもたちのとことこという足音がかわいらしいので」と発案した名前を引き継いだのです、と教えてくださいました。
ここを卒業した子どもが大きくなった姿を見た時や、「とことこに行っててよかった!」「ここで友達が増えた!」などとママに声をかけてもらえることがとても嬉しいとおっしゃっていました。

ボランティアのメンバーも高齢化してきており、後継者や仲間の確保が今後の課題で、これからはボランティアの育成にも力を入れていきたいとのこと。
「始めた時の気持ちを維持していくのは大変なことでもあるけど、体力・気力が続く限り吉町エリアでこの活動を続けたい」と熱くお話ししてくださるまなざしが素敵でした。
このエリアで子育て支援に携わってみたい方や我が子の子育てにひと段落した方など、ボランティアとしての参加も募集していますので、気になる方はぜひ問い合わせてみてくださいね!

もちろん、とことこは新しい親子との出会いも楽しみにしています。
新しい場所、新しいつながりを求める親子にぴったりの、安らげてくつろげる空間に、ぜひ一度足を運んでみてくださいね♪

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おもちゃのひろば とことこ

活動日 : 第2、第4火曜日 13時~16時(15時半~お片付け)
活動場所: 吉町集会所(駐車場有)
会 費 : 親子で100円(イベント時*は200円)
*おひなまつり、七夕、お月見、クリスマスのイベントを実施しています

◆ぼっくるん関連ページ
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取材日:2015年4月28日(火)
取材者、作成者:*あき*、かずとろ、白