氷川児童センターで防災について学ぼう

氷川児童センターで防災について学ぼう

公開日:2019/01/18

作成者:とま.*

災害時、ママは子どもを守れるか

D59D25F5-B3DE-4F7C-9D87-CFBF47F519CB氷川児童センターでは、親子で防災についての勉強会・情報交換会を開いています。東日本大震災で数十回に渡りボランティア活動をしてきた、防災危機管理アドバイザー資格を持つ鬼塚麻美さんが独自で企画したものです。

ママのための防災バッグ「子どもの居る家庭の備蓄」「災害時の小児外傷手当て」「災害時のヘルメットは自転車用のがあるから大丈夫?!」など、テーマを決めて行っているようです。

12月18日に、ママたちからの要望が多かった「心肺蘇生法・AED講習会」が開かれるとの連絡が入り、早速取材に駆けつけました。

12月18日  心肺蘇生法、AED講習会を行いました。

講習会当日、20組ほどの親子が氷川児童センターの体育室に集まりました。
消防署の救急隊員を招いて、心肺蘇生法の実技にたくさん時間を使い、その後、AEDの使用方法を教えていただきました。

心臓マッサージ、AEDの練習用に用意されていたのは、赤ちゃん(写真左)と幼児サイズ(写真右)です。

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救急の流れはこちらです。

119番をしてから約8分で到着するので、その間の心肺蘇生法が下記の手順です。

心臓マッサージ(胸骨圧迫)は、強く、速く、絶え間なく。

DEDF08F2-95DC-4E1D-B1C8-990F8C9A5DAD①救助する側の人の安全確保をする。

②反応があるかを確認するため、声かけをする。
(名前が分かれば、耳元で呼ぶ。 叩いて刺激も与えてみる。)

③反応がなければ動きがなければ、119番に電話をする。そして、AEDの手配をする。
※救急車要請の電話は、スマホだと場所の特定がしにくいので、固定電話からが好ましいです。スマホからであれば現在地を詳しく伝えてください。
※人が周りにたくさんいる場合は時間短縮のため、近くにいる人に、119番をする人、AEDを探す人の役割を割り振ります。

④胸と腹部の動きを見て呼吸を確認し、呼吸がなければ、ただちに心臓マッサージ(30回)を始めます。

  ※胸の厚さの約3分の1ほど沈むように強く、1分あたり100〜120回のテンポで、絶え間なく行います。

⑤気道確保のため顎を上に向け、人工呼吸(1回1秒を、2回)をします。
※赤ちゃんや子どもへの場合は、空気を吸い込みすぎず、そのままの呼吸で口から吹き込む。鼻はつまむ。
(空気を入れすぎると肺がパンパンになるので、控えめに。)
※もし、倒れている人が嘔吐していたら、嘔吐による感染を防ぐため人工呼吸はやらなくて良いです。
   薄手のガーゼを間に挟むのもアリ。

心臓マッサージ30回+人工呼吸2回で1セット。救急車が来るまで行います。

A9CA88D2-5283-4976-B661-6E35849B217C⑥到着次第、AEDを取り付け、心停止していた場合、心臓に電気ショックを与えます。
※AEDの講習を受けてなくても、誰でも扱えるようになっています。蓋を開けるとONになり、アナウンス通りに進めることができます。
※AEDは、1歳以上から使用可能で、予備に小児用のパッドが付いているものもあります。
※AEDは、取り付けた時から2分おきに心電図を測っているので、付けたら取らないが原則です。救急隊員へ引き継ぐまでパッドは貼り付けておきます。

⑦電気ショック後、ただちに心肺蘇生を再開します。
  ※アナウンスの通り進め、パッドを貼ったまま心臓マッサージを続けます。

⑧救急車が到着したら、倒れていたときの様子、AEDで電気ショックを何回したか、など救急隊員へ申し伝えてください。

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鬼塚さんの思い   「自分の子どもを守れますか?」

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「何かあった時、子どもを守れますか?」

1番伝えたいことは、子どものために防災グッズや備蓄、知識を“いま”備えてもらいたいということです。災害が起きたら、オムツ、ミルク、生理用品、日常では買い足せる物が一切買えなくなります。大人は我慢すればいいけど、子どもは出来ません。ママが備えてあげるしかありません。

大きな非常用バッグを作らなくてもいいから、最低限その子専用の薬、オムツとおしりふき、保険証のコピー、それだけでもいいです。そこから、水や食品、着替えなど家庭に合わせて足していけば大丈夫です。知識があれば代用も出来ます。知っていればケア出来ることは沢山あります。

私はお出かけバッグには最低限の物、モバイルバッテリー・マスク・オムツ・絆創膏・薬だけは入れています。

【ママ防災を企画した経緯】

これまで支援物資を届ける中で、本当に必要な物、喜ばれた物、溢れかえっていた物、困った物など、実際に現地で見てきました。その中での経験を活かして、備えておくべき物は何か、ママとして子どものためにしてあげられることは何か、私の持つ知識を伝えることが誰かの力になれるかもしれない、そう思ったことがきっかけでした。

氷川児童センターに遊びに行った時に、鬼塚さんが「ボランティアの経験から非常用バッグのお話を、今日来ている人にだけでもさせてもらえませんか?」と聞いたところ、「大切な事なので、しっかり告知をして開催しましょう」と想いに応えてもらった形で開催したところからママ防災がスタートしました。

前回まで3度開いて、150ほどが参加されました。

【鬼塚さんの想い】

草加に住む一人でも多くのママさんが子どものケアが出来るようになれば、欲を言えば手の届く範囲のお子さんのケアまで出来るママさんが増えれば、1人1人が意識して、そういう力が持てたら、何かあった時に力になれる人が増えるのではと思っています。

これまでの災害支援の中で、被災者さんから「忘れないでほしい」「覚えていてほしい」と沢山の方からバトンを受け取ってきたので、そのバトンを一人でも多くのママに繋いでいくことが、今の私に出来ることなのかなと思っています。

災害時に安心を与えてあげられるママが一人増える、辛い思いをする子どもが一人でも減る、私が伝えていくことが、そんなきっかけになれたらと思っています。

ママたちの感想

・子どもになにかあったときに、自分で対処したいと思いました。
・誰かが困っているときに見てるだけでは辛い、助けたいと思い応募しました。
・講習会を受講して、心肺蘇生法やAEDの使い方が、今までよくわからなかったので、少し自信がつきました。
・知らないということが1番よくないと思い、いろんなこと知りたくて応募しました。
・いざという時に、自分にできることを蓄えておきたかった。
・やはり書面でみるだけよりも、体験するのとは全然違うし、受講する前より自信がついた。
・すごい勉強になった。
・近々来る(と言われている)災害に備えて、少しでも講習会でやったことを生かして、周りの人たちも助けられたらいいなと思います。

取材を終えて・・・

・私自身、東日本大震災のときは会社勤務中にビルが揺れ、電車に乗れず会社に泊まり帰宅難民になりました。その頃はまだ子どもがいなかったので、自分と家族(自宅)が大丈夫ならそれで…という軽い気持ちで次の日帰宅しました。会社に泊まった日は、周りのコンビニの棚は空っぽでした。数日後、スーパーなどでは水やお米、トイレットペーパーの買い占めなどが問題になった記憶があります。自宅では計画停電が行われました。電車は毎日満員でしたし、冷房も付かなかったのでとても暑かったことを覚えています。
でも不便なことは被災地ほどではなかったように思います。鬼塚さんからお話を聞いて本当に悲惨な状況だったこと、被災者はどんな事や、物が必要だったのかを、改めて知らされました。
自分の子どもだけでなく、迷子になっていたり、動けなくなっている子どもがいたら、講習会で聞き学んだことを生かし、一人でも多く命を繋ぎ、みんなで助け合えたら幸いです。(とま.*)

 

・主催の鬼塚さんはもちろん、会場内の皆さんが”いざというときに我が子を守れるように”と熱心に参加されていたのがとても印象的でした。
鬼塚さんが自身の経験を活かして「地域のママたちの防災意識を高めたい、一人でも多くの子どもを守れるような講座をやろう!」と活動を始めただけでもとてもすごいことだと思ったのですが、その意図を理解して協力し、参加する方がたくさんいることもとても素晴らしいことだと思いました。

講座は定期的に開催されているようですし、SNSでの情報発信もしていくとのこと。
今後の活動にも期待しています♪(*あき*)

 

■■■ママ防災の開催概要■■■

場 所:氷川児童センター
日 時:月1回13時〜14時
参加費:無料
持ち物:積極的に学ぶ気持ち
予   約:必要(氷川児童センターHP もしくは、広報そうかをご参照ください。)
Instagram:https://www.instagram.com/mamabousai/?hl=ja
ママ防災HP:https://mamabousaichildren.wixsite.com/mysite

取材日:2018年12月18日
取材者:*あき*、福まる、とま.*
作成者:とま.*