地域型小規模保育「ひだまり保育園」って こんなところ♪

地域型小規模保育「ひだまり保育園」って
こんなところ♪

公開日:2018/10/29

作成者:じぃ


地域型保育事業施設の取材も3か所目となりますが、今回は小規模保育A型の「ひだまり保育園」さんを取材してきました。 たくさんある小規模な保育施設ですが、すべてを取材することはできないので、この3か所の取材でとりあえず終了といたします。これらの記事を読んで興味を持たれた方は、是非、いろいろな施設を見学してみてほしいと思います。

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どんな施設か

設置主体

ひだまり保育園は、株式会社Warm Place という法人です。といっても、この保育事業を設置運営するために立ち上げたもので、営利企業の多角化とは一味違うようです。

施設

ひだまり保育園は、谷塚駅東口から線路(高架)沿いに5分ほど北上した場所にあります。 2階建ての1階部分を借りて保育事業を行っていますが、元々は認可外保育施設や草加市独自の家庭保育室などが入っていた、保育を目的とした造りになっています。 ここをさらに改装し、事業を始めたそうで、とてもきれいなスペースになっています。 約100㎡の長方形の部屋を3つに仕切り、0歳、1歳、2歳の年齢別としていますが、1歳と2歳の仕切りは移動できるようになっており、大きなスペースにすることもできるそうです。 このほか、広めの玄関とそこを見通せる事務室、シャワーブースを備えた広めのトイレルーム、調理室が備わっています。 正式な園庭としてではありませんが、建物に沿って庭があり、0歳児の登園や家庭菜園、プール遊びなどもできるようになっています。

子どもの受け入れは子どもたちへの影響を考え保育室でではなく、玄関内のIDチェックをした後玄関の受け入れスペースで、となります。 ただし、0歳児は玄関でIDチェック後、庭を回って直接一番奥の0歳児室に入り、室内での受け入れをしているとのことです。

園庭4

③④

 

 

 

 

 

員と保育時間

定員は19人(0歳6人・1歳6人・2歳7人)で、保育時間は午前7時30分から午後6時30分までで、土曜日も預かっています。また、平日は別料金ですが、午後6時30分から午後7時まで、延長保育を行っています。(延長保育は月4回までは無料とのことです)

 

休園日

日曜祝日は休園で、そのほか年末年始(12月28日~1月3日)がお休みです。お盆休みはありません。

 

利用者について

利用者は、近隣に住んでいる人が多く、谷塚町と瀬崎町からが多いようですが、吉町からの人もいるそうです。 駐車場は1台あります。

⑤②   

 

 

 

 

スタッフについて

[職員の資格と人数]

ひだまり保育園では、施設長の市島園長ほか、8人の保育士と4人の保育補助の計13人、調理師と栄養士が各1人で事業を行っています。このほか、事務的な面は他の仕事(スポーツトレーナー)をしている法人代表の内田さんが適宜行っているそうで、市島園長は保育に全力を傾けられているとのことです。A型ですので、園長と8人の保育者は全員保育士資格を持っています。 保育に当たる内訳は、0歳児は基準の2人とフリー保育士1人の3人、1歳児は基準の1人に1人を追加、加えてフリー保育士1人の3人で、2歳児は定員7人なので基準の2人と園長の3人、計9人が常時保育を行っているそうです。 園長をはじめ保育に当たっている人は、皆さん某公立保育園の先生だった人たちとのことで、内田代表と縁のあった市島園長が、理想の保育を求めて集めたベテランぞろいとのことです。

 

〇スタッフから一言

認可保育所での勤務経験から、基準以上の保育者を配置し、手厚い保育を行っています。  内田代表がスポーツトレーナーであることから、体操教室なども保育に組み込んで楽しく元気な生活を実践しています。  子どもの自主性を重んじ、「やったらダメ」と止めるのではなく、しっかり見守るなかで「やりたいことをやってみた結果から子供たち自身が学ぶ」ことで子どもたちが本来持っている力を最大限に引き出す保育をしています。 施設を選んでもらう上では、見学に来てもらうようにしています。1時間じっくり時間をかけて見学してもらい、施設の理念なども説明し、納得してから選んでもらえるようにしています。

 

連携施設

ひだまり保育園の連携施設は谷塚幼稚園で、卒園後は優先的に入園することができることになっています。まだ開設して1年しか経っていませんが、今年3月に卒室した子ども5人のうち、谷塚幼稚園に3人、おざわ幼稚園と瀬崎保育園に一人ずつ進んでいます。あずかり保育で6時半まで預かってくれるので、谷塚幼稚園に進みやすいようです。 日ごろから連携施設の説明会をタイアップして紹介したり、谷塚幼稚園に遊びに行くなど、交流を図っているそうです。

施設の特色

[給食について]

給食はもちろん手作りですが、献立は専門の業者さんに委託し、栄養価に配慮した献立を組んでいます。調理室は別室ですが、ドアの下の方に丸いガラス窓がついており、調理している様子を見ることができます。

 

[低年齢児・少人数ならではの保育]

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小規模保育施設としては最大の19人定員ですが、もちろん認可保育園よりも少人数なので、目が行き届き、スタッフが子ども一人ひとりに寄り添っている印象です。 年齢別クラスにはなっていますが、低年齢児で少人数であることを生かして、まとまって何かをするというよりも、それぞれのその時の興味に沿って保育を行っています。 子どもの育ちに一番大事な0歳から3歳までの間に、どれだけ愛情を掛けられるか、手を掛けてあげられるかが大切だからという思いこそ、小規模保育を始めた理由でもあるそうです。

[広いトイレとシャワー]

一軒家ではありますが、元々保育を行うために整備したスペースのため、普通の家とは比べ物にならない広さのトイレスペースがあり、乳幼児用のシャワーパンも完備されています。

 

 

大切にしていること

[お母さんとのつながり]

取材した他の小規模保育施設も同様ですが、子どもにとってお母さんが一番なので、お母さんがいるのと同じように施設にいられる環境を作ることでお母さんがホッと安心できる場所であることを目指しており、施設として「お任せください!」ではなく「一緒に」育てていけるよう母子環境の仲立ちとなるよう努めているそうです。 日々の連絡帳や送迎時の対話はもちろん、全体的な報告は月に一度発行する「園だより」や、イベントや毎月、月ごとに掲示する写真などで、子どもの様子を把握できるようにしています。

ひだまり文庫とお散歩マップ
玄関には「ひだまり文庫」を設け、子どもと一緒に読みたい本の貸し出しをしています。  また、地域にある楽しい場所を紹介している「お散歩マップ」を掲示し、施設と家の違いを縮める役割を果たしています。

 

〇スタッフからひとこと

低年齢児の期間は、愛着関係を持つことがとても大切です。また、子ども一人ひとりが元々持っている力を自然に促すために、子どもの発する思いを大事に受け止めています。 本業がスポーツトレーナーである法人代表が、子どもの体操教室を通じて知り合った当時某市公立保育所の保育士さんだった施設長とで理想の低年齢保育を目指して始めました。 他の保育士も当時の同僚で同じ志を持つ人ばかりが集まっています。 「どうせやるなら法人格を持っていた方がいいと考え、株式会社を立ち上げました。毎日ではありませんが事務は主に私が処理し、施設長や保育スタッフには子育てに専念してもらっています」(法人代表談)

 

まとめ

外観2保育者が全員保育士資格を持っていなければならないA型施設は、スペースの関係でやむを得ず定員が少ない小規模保育となっているわけではもちろんなく、少人数の低年齢保育という環境に魅力を感じ、理想を求めて事業展開をされています。 小規模保育施設としては人数は多いですが、保育のために作られたスペースを活用しているので、「施設」という印象の場所です。 子ども子育て支援法に基づく新制度のなかで、認可保育所、認定こども園など、保育環境の多角化の一つとしてではなく、どのような保育を目指したいか、いろいろ考えて導き出した結果が「小規模保育」。それが結果として新制度にマッチしたので、そのために株式会社まで立ち上げたという、草加では比較的珍しいケースではないかと思います。

 

取材者からひとこと

● 取材日はとても暑い日で、たくさんの子どもたちがお庭でビニールプールで水遊びをしていました。
そのプールの様子を見て驚いたのは、幼稚園や学校のように時間を決めて「はい、おしまーい!」ということではなく、体調には気を付けつつも子どもの気の済むまで遊ばせていて、逆に子どもたちがやめたいと言えば一人ずつおしまいにして部屋の中にいる先生にバトンタッチして身支度をさせていました。
よくよく見ていると、水着のままでお庭でプールを出て近くのお花に水をあげる子もいれば、早めにお部屋に戻って本を読んだりおもちゃで遊んでいる子もいたり、時計を見て(!)お昼の準備を始めたりと、時間に縛られる集団生活とは違う、ひとりひとりのペースに合わせて自主性や社会性が育まれているのを感じました。
先生の配置に余裕がないとこういった対応は難しいだろうし、少人数だからこそ保育者全員が子どもの性格をしっかり理解しているからこそできる保育の仕方で、「見学に来た親御さんには、保育の様子を見て安心してここに決めてもらいたい」とおっしゃるのも納得!でした。
小規模保育への入園を検討される方は、必ず施設の見学に行って保育の様子を見てみてくださいね^^(*あき*)

● 保育者・法人代表のお話を伺うなかで、保育に対する大変な熱意を感じることができ、株式会社が運営主体ということで「ん?まさか営利主義?」なんで少しうがった目でお邪魔した自分を深く反省しました。子どもへの影響を考えて0歳児の入口を玄関以外のところにしたり、事務室や調理室を別にするなど、余裕のあるスペースづくりに感心しました。子どもの「やりたいこと」に寄り添う様子をみて、小人数保育だからこその良さを感じることができた気がします。(じぃ)

 

■■■「ひだまり保育園」の詳しい情報■■■

所 在 地 草加市瀬崎1-13-45(子育てマップ
問合せ先 048-954-6570

 

 

取材日:2018/7/24
取材・作成者:*あき*、えりひょん、じぃ