子育て応援隊 そうかでの子育てを応援している団体・個人です。

子育て応援コラム

2026/02/10

ミックスサラダ

作文の宿題、はかどらないですよね

 こんにちは。ミックスサラダです。
 発達にかたよりのあるお子さんやそのご家族の、進学や就労に関するサポートや情報交換を行っています。2〜3か月に一度、保護者の皆さんが集まって情報交換をする「親会」を開いています。
 以前「作文の宿題が全然進まない!」といったご相談を受けることがありました。

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◎作文が苦手な子の頭の中”起きていること
 「作文が苦手で、書き始めるまでにすごく時間がかかる」
 「書き出しても、途中で止まってしまう」
 小学生から中学生の保護者の方から、こうした相談を受けることはとても多いです。作文が苦手、という悩みは、学年に関係なくよく見られます。そしてその背景には、子どものやる気や性格ではなく、作文という作業そのものの複雑さが関係しています。
 作文はただ思ったことを書けばいい、という単純な作業ではありません。頭の中ではいくつもの認知的な処理、つまり見えない負荷が同時に行われています。まずはその見えない負荷を知ることが子どもを支える第一歩になります。


◎作文は脳のマルチタスク
 作文を書くとき子どもの頭の中では、①文章の構成を考える→②語彙を選ぶ→③文字を書く、という作業が同時に進行しています。この作業について詳しく見ていきましょう。

① 文章の構成を考える
 「何を書くか」「どの順番で書くか」を決める作業で、作文の土台となる部分です。構成を考えることは大人でも難しい作業です。
・どこから話を始めるか
・どのエピソードを入れるか
・どこでまとめるか
 こうした判断を、子どもは頭の中だけで行っています。構成が曖昧なまま書き始めると途中で迷子になりやすく、「何を書いていたんだっけ…」と手が止まってしまうのです。

② 語彙を選ぶ
 「どんな言葉で表現するか」を探す作業です。作文では普段の会話よりも少し丁寧な言葉や、説明的な表現が求められます。そのため、子どもは頭の中で次のようなことをしています。
・ぴったりの言葉を探す
・同じ言葉を繰り返さないように工夫する
・説明に必要な語彙を思い出す
・しゃべり言葉を書き言葉に変換する
 語彙を探すのに時間がかかると、せっかく考えた構成が頭から抜けてしまうこともあります。これが「話せば言えるのに、書くと出てこない」という現象につながります。

③文字を書く
 文字の形を思い出し紙に書く作業です。低学年の子どもたちはひらがなやカタカナを思い出すことにも負荷がかかりますし、学年が上がると漢字を書くことが求められるためより負荷は大きくなります。

 このような①~③の作業が同時に進むことで、頭の中では、書く内容・文章の順番・語彙の選択・文法・文字を思い出すなど、さまざまな情報を一時的に保持しながら作業することが必要になります。頭の中がいっぱいになると、文章の話題が飛ぶ・文が短く終わる・書くスピードが極端に遅くなるといったことが起こります。


◎書く前に話してみましょう!
 話すときは多少順番が前後しても、語彙が不足していても聞き手が理解してくれます。また、話しながら自分の考えを整理することもできます。
 書くときのように、文字を書く・文法を整える・語彙を選ぶ、といった複数の作業を同時に行う必要がありません。そのため、頭の中の負荷が大幅に軽くなるのです。

 話すことで、子どもは自然と次のような整理を行います。
・何を伝えたいのか
・どの順番で話すと分かりやすいか
・どこに説明を足すとよいか
 これは作文でいう「構成」を作る作業そのものです。書く前にこの構成ができていると、書くときに迷いが減ります。

◎書く前に材料をそろえましょう
 話した内容をもとに、キーワードをメモする・3つのポイントに絞る・ざっくりした流れを決める、といった準備をしておくと書くときの負荷がぐっと下がります。いきなり白紙に向かうのではなく、材料をそろえてから書くことで、成功体験が生まれやすくなります。

◎書く前の準備
 特別な教材や難しい指導は必要ありません。日常の中でできる、シンプルで効果的な方法を紹介します。

① 作文で書く内容を「3つだけ」話してもらう
 日記という宿題が出た場合、「学校であったことを3つ教えて」のように指示すると良いでしょう。この練習は構成力を育てるのにとても効果的です。何を選ぶか・どの順番で話すか・どこを詳しく説明するか、といった力が自然と身につきます。

② キーワードだけ一緒にメモする
文章にする必要はありません。
単語だけで十分です。
例:
 ・誰が
 ・どこで
 ・何をした
 ・どう思った
このような材料集めが、作文の負荷を大きく減らします。

③ 書く前に口でリハーサルをする
子どもが話した内容を、保護者が軽く要約して返すと、
「こういう流れで書けばいいんだ」とイメージしやすくなります。
例:
「なるほど、今日は 体育でリレーをした → バトンパスがうまくいった → チームが勝って嬉しかった って流れなんだね。じゃあその順番で書いてみようか。」
このように、文章の道筋を一緒に確認するだけで、書くときの迷いが減ります。

★まとめ
 作文は頭の中をいっぱいにするような、非常に高度な作業です。
 書く前に口頭で整理するだけで、その負荷は大きく減り、「書けた!」という成功体験につながります。お子さんが作文でつまずいているとき、ぜひ「まず話してみようか」と声をかけてみてください。それだけで、書くことがぐっと楽になるはずです。
 
 ミックスサラダの親会では保護者同士や、場合によっては専門家も交えながら雑談のような雰囲気の中で情報交換をしています。

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活動情報

名前(HN) :言語聴覚士 やさく
私のプロフィール
ミックスサラダ ボランティアスタッフをしています。
言語聴覚士という、ことばとコミュニケーションの支援をする仕事をしています。