子育て応援隊 そうかでの子育てを応援している団体・個人です。

子育て応援コラム

2025/08/13

まちのこころ♥ソファー la passerelle

親の思う良かれは誰のため?
子どもの「やりたい」を形に!

私が小学生だった頃、ピアノを習いたいと思い、母にお願いしたことがありました。
その時、母は「ピアノなんて、将来何の役にも立たないから、習うならそろばんを習いなさい。そろばんができて計算がスラスラできるようになれば、学校の宿題も楽にできるし、お買い物に行っても困らない。ピアノが弾けるようになったって、お金を稼げるようにはならないし、得なことは何もない!」と言いました。そのころの私は母に反論することもできず、「習い事をしたい」という私の思いは、ピアノではなく、母の意向であるそろばんに強制的に変わり、そろばん塾に通うことになりました。
このように、子どものためを思っての親の言動ですが、時には子どもの気持ちを軽んじてしまうことがあります。
現在よく言われている「こどもまんなか」の中心にある「子どもの権利条約」の第12条では、子どもの意見表明権が謳われています。また、「こども基本法」の第3条にも、すべての子どもにその発達段階に応じて、自己に直接関係するすべての事項について意見を表明する機会や、多様な社会的活動に参画する機会を確保し、子どもの最善の利益が優先して考慮されることが記されています。
つまり、親の良かれと思っての決定だけで、子どもに関わることを決めてはいけないということです。
もちろん、子どもには自己に直接関係するすべての事項について意見を表明する機会が保障されていますが、これは単に自分の意見を無闇にぶつけてもよいということではありません。親には親なりの考えや事情があるかもしれませんし、子どもが自己主張を通すことによって生じる弊害についても十分に考える必要があります。
つまり、自分の権利を主張するだけでなく、相手の権利も尊重するという原則に則り、おとなも子どもも対等なパートナーとして話し合いを重ねることが大切だということです。
パスレルでは、各種ワークショップやイベントも行われており、それには当然、多少の費用がかかります。各家庭の経済事情はさまざまで、子どもが「やりたい」と思っても、それを実現できないご家庭もあるかもしれません。
そんな時は、お子さんに「無理」や「ダメ」という一言で終わらせてしまうのではなく、お子さんと対等な立場で「無理な理由」や「ダメな理由」を話し合ってあげてください。
お子さんの方から、思いがけない優しい言葉が返ってくるかもしれませんし、また、自分のやりたいことを形にするための自発的・主体的な行動が芽生えてくるかもしれません。
自分の話をきいてもらった経験、それが実現していくプロセス、実現しなかったとしてもしっかりと話し合いを行い、納得できた経験、さらにはその結果が施策に反映された経験は、子どもの主体性を育みます。自分の人生の主人公は自分自身。自分の人生を主体的に生きる子どもが増えることで、未来は明るくなります。
それが「こどもまんなか社会」です。
私たちが住む草加市では、「そうチャレ」という取り組みが始まっています。
「そうチャレ」とは、自分たちのやりたいことを形にする、草加市が掲げる「こどもまんなか社会=こどもにとって一番良いことを考える社会」の実現を目指し、こどもの声を市のまちづくりに反映させる仕組みです。
みなさんのご家庭でも、まずは家庭内の「そうチャレ」から取り組んでみませんか?

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活動情報

名前(HN) :パスレル
私のプロフィール
こころ解き放つ多世代交流のフリースペースです。
誰もが安心して自分らしく生きて行くことに伴走します。
不登校支援を軸に、孤育て・孤食・社会的孤立・情緒的孤立・経済孤立などの解消を目指します。
レンタルキッチン、レンタルスペース完備。
同じ境遇や趣味を持つ仲間同士が気軽に集える場となっています。