子育て応援隊 そうかでの子育てを応援している団体・個人です。

子育て応援コラム

2026/08/26

まちのこころ♥ソファー la passerelle

今一度、「子どもの声を聴く」という事を考える

➉今一度、「子どもの声を聴く」という事の意味を考える

多学年が混在する集団で子どもたちと関わっていると、日々の遊びや片付けの場面で、年齢による行動の違いや、育ちの段階に応じた反応の差が自然と表れてきます。年上の子は状況を俯瞰し、周囲の子の動きを見ながら行動することが増えますが、年下の子は目の前の興味にまっすぐ向かい、気持ちの切り替えに時間がかかることもあります。こうした違いは決して「できる・できない」という単純な線引きではなく、発達段階に応じた自然な姿であり、大人がその背景を理解して関わることが重要であると感じます。
パスレルのような、多学年混在の場には、明確なメリットとデメリットが存在します。
メリットとしては、年上の子が年下の子に声をかけたり、遊び方を教えたりすることで、自然な形で「支える側」になる経験が得られる点が挙げられます。年下の子にとっては、身近なロールモデルが増え、憧れや模倣を通して新しい行動を習得しやすくなります。また、異年齢の関わりは、学校の学年という枠組みでは得られない多様な価値観に触れる機会となり、社会性の育ちにもつながります。
一方で、デメリットとしては、体格差や遊びのスピードの違いから、衝突や不公平感が生まれやすいことがあります。年上の子が我慢しすぎてしまう場合もあれば、年下の子が「自分だけできない」と感じてしまう場面もあります。こうした場面では、大人が双方の気持ちを丁寧に言語化し、安心して気持ちを表現できる環境を整えることが求められます。
では、「子どもの声を聴く」とは具体的にどういうことなのでしょうか。単に言葉として発せられた内容を受け取るだけではなく、その背景にある気持ち、行動に込められた意図、沈黙の中にある戸惑いや迷いまで含めて受け止める姿勢を指します。子どもは必ずしも自分の思いを言葉で表現できるわけではありません。遊びの選択、片付けのスピード、表情の変化、友だちとの距離感など、さまざまな非言語のサインが「声」として現れます。大人がそのサインを丁寧に読み取り、子どもが安心して本音を出せるような関わりを積み重ねることが、真に「声を聴く」ことにつながります。
また、多世代が交わる場合にも、独自のメリットとデメリットがあります。子どもにとっては、若い世代から高齢世代まで、異なる人生経験を持つ人々と触れ合うことで、社会の広がりを実感しやすくなります。大人にとっても、子どもの率直な言葉や柔軟な発想に触れることで、自身の価値観が揺さぶられ、学び直しの機会となります。一方で、世代間の価値観の違いから、子どもの行動を「昔はこうだった」と評価してしまう場面も生まれます。世代間の関わりを豊かにするためには、互いの違いを尊重し、子どもの育ちを現在の社会状況に照らして理解する姿勢が欠かせません。「みんな違ってみんないい」の実践です。
最後に、子どもの声をどのように吸い上げていくかについて考えます。まず、日常の中で子どもが安心して話せる「小さな場」をつくることが重要です。遊びの終わりに一言だけ感想を聞く、困ったときにすぐ相談できる大人がいる、言葉にしづらい思いを絵やカードで表現できるなど、形式ばらない仕組みが有効です。また、声を集める際には、誘導的な質問を避け、子ども自身の言葉を尊重することが大切です。「こう思うよね?」と大人の意図を含んだ問いかけや、子どもが大人の「かくあるべし」と思う答えを暗黙のうちに導いてしまうことは、子どもの本音を遠ざけてしまいます。さらに、集めた声を大人の都合で解釈しすぎないこと、そして子どもに「あなたの声はこう反映された」とフィードバックすることが、信頼関係を深めるうえで欠かせません。
多学年・多世代が交わる場は、子どもの育ちにとって豊かな可能性を秘めています。その可能性を最大限に生かすためには、今一度「子どもの声を聴く」という原点に立ち返り、子どもが安心して自分らしくいられる環境を大人が丁寧につくり続けることが求められていると、この夏を振り返り感じているところです。

いいね

活動情報

名前(HN) :パスレル
私のプロフィール
「こどもにやさしいまち」は「どんなひとにでもやさしいまち」
パスレル(フランス語で架け橋の意味)は、多世代交流のフリースペースです。子どもたちを見守ったり、一緒に遊んだり、興味のあるセミナーに参加したり・・・
サロンでゆっくり過ごしていただいてもかまいません。
誰もがありのままの自分で安心して暮らせる地域を目指して。
パスレルからつながっていきませんか?