更新日:2025/06/17
感染症とは
感染症とは、ウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入し、増殖することによって引き起こされる病気のことをいいます。感染の心配がある場合には、早めに病院で受診して医師の指示に従ってください。
感染症の予防には、毎日の手洗いやうがい、歯みがき、気温に合わせた衣服の調節、バランスのとれた食事と十分な睡眠などが重要です。家族が外から持ち帰った細菌やウイルスが、こどもに感染することもあるので、家族全員で健康的な生活を心がけましょう。
感染経路と対策
感染症の感染経路には、飛沫感染、空気感染(飛沫核感染)、接触感染、経口感染、血液媒介感染、蚊媒介感染があり、それぞれに応じた対策をとることが大切です。病原体の種類によっては、複数の感染経路を取るものがあります。
飛沫感染 | 感染している人が咳やくしゃみ、会話をした際に、病原体が含まれた小さな水滴(飛沫)が口から飛び、これを近くにいる人が吸い込むことで感染します。飛沫が飛び散る範囲は1~2mです。飛沫を浴びないようにすることで防ぐことができます。 感染している者から2m以上離れることや感染者がマスクを着用などの咳エチケットを実施が予防に有効です。 |
空気感染 (飛沫核感染) |
感染している人が咳やくしゃみ、会話をした際に口から飛び出した小さな飛沫が乾燥し、その芯となっている病原体(飛沫核)が感染性を保ったまま空気の流れによって拡散し、それを吸い込むことで感染します。飛沫感染の感染範囲は飛沫が飛び散る2m以内に限られていますが、空気感染は室内等の密閉された空間内で起こるものであり、その感染範囲は空調が共通の部屋間等も含めた空間内の全域に及びます。 空気感染対策の基本は「発症者の隔離」と「部屋の換気」です。 |
接触感染 | 感染源に直接触れることで伝播がおこる感染(握手、だっこ、キス等)と汚染された物を介して伝播がおこる間接接触による感染(ドアノブ、手すり、遊具等)があります。通常、接触感染は、体の表面に病原体が付着しただけでは感染は成立しませんが、病原体が体内に侵入することで感染が成立します。病原体の付着した手で口、鼻又は眼をさわること、病原体の付着した遊具等を舐めること等によって病原体が体内に侵入します。また、傷のある皮膚から病原体が侵入する場合もあります。 最も重要な対策は手洗い等により手指を清潔に保つことです。タオルの共用をしないようにします。 |
経口感染 | 病原体を含んだ食物や水分を口にすることによって、病原体が消化管に達して感染が成立します。 適切な食品の取扱い、衛生管理を行うことが重要です。 |
血液媒介感染 | 血液を介して感染する感染症です。血液には病原体が潜んでいることがあり、血液が傷ついた皮膚や粘膜につくと、そこから病原体が体内に侵入し、感染が成立する場合があります。 傷ができたら、できるだけ早く傷の手当てを行い、他の人の血液や体液が傷口に触れることがないようにしましょう。 |
蚊触媒感染 | 病原体をもった蚊に刺されることで感染する感染症です。蚊媒介感染の主な病原体である日本脳炎ウイルスは、国内では西日本から東日本にかけて広い地域で毎年活発に活動しています。また、南東アジアの国々には、日本脳炎が大規模に流行している国があります。 緑の多い木陰、やぶ等、蚊の発生しやすい場所に立ち入る際には、長袖、長ズボン等を着用し、肌を露出しないようにしましょう。 |
参考:こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン」
予防接種
予防接種は、ワクチンの接種により、あらかじめその病気に対する免疫を獲得させ、感染症が発生した場合に罹患する可能性を減らしたり、重症化しにくくしたりするものです。病気を防ぐ強力な予防方法の一つです。
関連ページ
*予防接種に関しては、「予防接種の基礎知識」を参考にしてください。
関連サイト
感染症の基礎知識
動物由来感染症について
感染症対策 手洗い、咳エチケットについて (厚生労働省)
保育所における感染症対策ガイドライン(こども家庭庁)
学校・保育園・幼稚園などの感染症対策
学校や保育園・幼稚園等では、こどもたちが集団で生活を送るうえで、周囲への感染拡大を防止することが重要です。もし感染症にかかってしまったら速やかに受診し、学校や保育園・幼稚園等に連絡しましょう。
学校・保育園・幼稚園などは児童生徒等が集団生活を営む場所なので感染症が発生した場合には感染が拡大しやすく、教育活動にも影響します。学校保健安全法関係法令で、予防すべき感染症の種類、出席停止、臨時休業等について定められています。
感染時の登園再開のめやす(草加市立保育園)
感染症にかかってしまったら、医師に指示に従い安静を保ちましょう。登園を再開するためには、感染症の種類により『意見書(医師記入)』または、『登園届(保護者記入)』を保育園に提出する必要があります。入園時に配布される「入園のしおり」に登園のめやすを記載しています。
▶『意見書(医師記入)』の提出が必要な感染症
感染症名 | 登園のめやす |
麻しん(はしか) | 解熱後 3 日を経過していること |
インフルエンザ | 発症した後 5 日経過し、かつ解熱した後 3 日経過していること |
新型コロナウイルス感染症 | 発症した後 5 日を経過し、かつ症状が軽快した後 1 日を経過すること *無症状の感染者の場合は、検体採取日を 0 日目として、5 日を経過すること |
風しん | 発しんが消失していること |
水痘(水ぼうそう) | すべての発しんが痂皮(かさぶた)化していること |
流行性耳下腺炎 (おたふくかぜ) |
耳下腺、顎下腺、舌下腺の腫脹が発現してから 5 日経過し、かつ全身状態が良好になっていること |
結核 | 医師により感染の恐れがないと認められていること |
咽頭結膜熱(プール熱) | 発熱、充血等の主な症状が消失した後 2 日経過していること |
流行性角結膜炎 | 結膜炎の症状が消失していること |
百日咳 | 特有の咳が消失していること又は適正な抗菌性物質製剤による 5 日間の治療が終了していること |
腸管出血性大腸菌感染症 (O157,026,011等) |
医師により感染の恐れがないと認められていること (無症状病原体保有者の場合、トイレでの排泄習慣が確立している 5 歳以上の小児については出席停止の必要はなく、また、5 歳未満の子どもについては、2 回以上連続で便から菌が検出されなければ登園可能である。) |
急性出血性結膜炎 | 医師により感染の恐れがないと認められていること |
侵襲性髄膜炎菌感染症 (髄膜炎菌性髄膜炎) |
医師により感染の恐れがないと認められていること |
▶『登園届(保護者記入)』の提出が必要な感染症
感染症名 | 登園のめやす |
溶連菌感染症 | 抗菌薬内服後 24~48 時間が経過していること |
マイコプラズマ肺炎 | 発熱や激しい咳が治まっていること |
手足口病 | 発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること |
伝染性紅斑(りんご病) | 全身状態が良いこと |
ウイルス性胃腸炎 (ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス等) |
嘔吐、下痢等の症状が治まり、普段の食事がとれること |
ヘルパンギーナ | 発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること |
RSウイルス感染症 | 呼吸器症状が消失し、全身状態が良いこと |
帯状疱しん | すべての発しんが痂皮(かさぶた)化していること |
突発性発しん | 解熱し機嫌が良く全身状態が良いこと |
【ピックアップメモ】 出席停止の日数の数え方について
出席停止期間の算定では、解熱等の現象がみられた日は期間には算定せず、その翌日を1日目とします。「解熱した後3日を経過するまで」の場合、例えば、解熱を確認した日が月曜日であった場合には、その日は期間には算定せず、火曜日(1日目)、水曜日(2日目)及び木曜日(3日目)の3日間を休み、金曜日から登園許可(出席可能)ということになります。
日曜日 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 |
解熱 | 1日目 | 2日目 | 3日目 | 出席可能 |
インフルエンザにおいて「発症した後5日」という時の「発症」とは、「発熱」のことを指します。発症した日(発熱が始まった日)は含まず、その翌日から1日目と数えます。「発熱」がないにも関わらずインフルエンザと診断された場合は、インフルエンザにみられるような何らかの症状がみられた日を「発症」した日と考えて判断します。
なお、インフルエンザの出席停止期間の基準は、「“発症した後5日を経過”し、かつ“解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過”するまで」であるため、この両方の条件を満たす必要があります。
水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 日曜日 | 月曜日 | 火曜日 |
発症 発熱など |
1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | 5日目 | 出席可能 |
学校における感染症発生時の対応
埼玉県ホームページでは、「学校における感染症発生時の対応について」冊子を掲載しています。
感染症の種類、感染経路、病原体、潜伏期間、症状予防法、登校基準、発生時の対応などについて詳しい情報が載っています。